劇場版AIR(DVD)感想。(ネタバレ注意)

もうひとつのAIRっつーかほぼオリジナルの内容。



同時期に京都アニメーションの原作重視な神アニメがやっていたので劇場版も同じ原作を
なぞった内容をやるよりは劇場版オリジナルの内容をやった方がいいとは思いますが……
それにしてもなんだかなあな感じ漂う内容でした。許せる変更点と許せない変更点があると
いうか、キャラそのものを変えてしまっている神奈の言葉遣いの違いとかは原作ファン的に
ちょっと許し難かったです。武家言葉(?)じゃない神奈なんて神奈じゃねえ……!
柳也は見た目も性格も違和感ありまくりでした。見た目はTVアニメの方の柳也を見慣れて
しまったからだとは思いますが……原作では後姿が映るくらいですが、だからってあんな
横髪たらした黒髪ロンゲはないだろうと。神奈と柳也が結ばれてしまっている点も……
なんかふたりの関係をただの恋仲にしてしまっているのが個人的にイヤでした。
神奈と柳也は、原作のあの恋仲と言えそうで言えない感じの関係と、最終的に柳也が
伴侶に選んだのは裏葉だったというのが好きだったのになあ。劇場版は要約すると死期が
迫っている女の子が昔話の女の子に自分を重ねながら町を訪れた青年を好きになっていく、
というような感じで別に1000年目の夏ーとか夢を見てどうのーとか転生がどーのーとかは
あんまり関係なかったような……。往人の母親がそういう女の子がいるというような話は
してましたが、それが観鈴だということはあまり話的に関係ない感じがしました。


観鈴ちんが妙に押し強いのもなあ。あと原作と違って往人の人形劇が大ウケでしたが
あんなに大ウケするほどのものに見えないのですがどうか。(ぉ ラストはまたひとり旅を
続ける往人で終わりましたが、原作と違って呪いがどうのの話もなく、往人にとっては
心に残る出来事だったぐらいで終わってそうなのがどうにも。尺の問題もあるでしょうが
晴子と観鈴の関係が変わっていく過程がなかったので「ゴール」のシーンも弱かったなあ。
そういえば晴子と観鈴の関係が「母親の」とか言ってたんですが「母親の」じゃ……
単純に間違いなのかわざと変えたのか、橘が「晴子姉さん」とか言ってたので書き間違いでは
ないと思うのですが、変える必要性を感じないので製作側の勘違いというようにしか思えない。


なんか文句ばっか書いてますがーうん、往人がいなくならないのはアレンジとしては
面白いなあと思いました。ただそれだったら観鈴ちんも死なないようにしてハッピーEDに
しても良かったんじゃないかなあとも思ったり。中途半端に原作をなぞっているうえに
観鈴ちんだけ死んでしまうのでなんだかなあな感じがするんですよね。でも原作やTV版と
違って落ち着いた雰囲気を出そうとしているのか、観鈴ちんの演技(声の高さや話し方)を
少し変えているのは神奈と違って好感持てました。AIRが好きなら一度は見てみるといいと
思いますが、原作とはテーマが別の往人と観鈴の恋愛に重点を置いた作品として見るのが吉。